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April 07, 2005

外国会社の登記(2)

外国会社の登記(2)

 外国会社が、日本において取引を継続して行おうとするときは、日本における代表者を定めて外国会社の登記をしなければならない(商法第479条1項)。

 登記期間:日本における代表者を定めた日から3週間以内
 管轄: ①営業所を設置した場合・・・営業所の所在地を管轄する法務局
     ②営業所を設置しない場合・・・日本における代表者の住所地を管轄する法務局
 登記事項:日本における同種の会社の支店設置の登記事項と同様
 添付書類: ①本店の存在を認めるに足りる書面
        ②日本における代表者の資格を証する書面
        ③外国会社の定款その他外国会社の性質を識別するに足りる書面
        ☆これらの書面は、外国会社の本国の管轄官庁又は日本における領事その他権限のある官憲の        認証を受けたものでなければならない。
        ☆☆添付書面が外国語で作成されているときは、その日本語訳を添付する。

 添付書類について、何点かコメントする。
 実は、上記の①から③に該当する書面が無いことが多い。たとえば、①と③の書面で、登記事項すべてを証明していなければならないと考えるが、通常、定款や設立証明書では不十分である。デラウェア州会社法の株式会社の定款(Certificate of incorporation)の必要的記載事項は、1)商号、2)登録事務所、3)目的、4)株式に関する事項などである。定款の情報で不足の場合は、附属定款(bylaws)を見る必要がある。
注意すべきは、たとえば、3)目的(Purposes)は、日本商法上の「目的」概念とは異なる。法律が異なる以上、全く同じ概念ではありえない。したがって、外国会社の定款や附属定款を一生懸命に日本語訳してもそのままでは登記できないのが通常である。場合によっては、定款の必要的記載事項以外のことが多数記載された定款もある。時折、申請人あるいは代理人が50ページにも及ぶ定款を翻訳していることがあるが、登記の添付書類として使えないことが通常である。
 では、実務上どうしているかというと、ほとんどの場合は、宣誓供述書(Affidavit)を作成して登記の添付書類としている。法が要求する上記①から③までの添付書類が証明しようとしている内容すべてを包含した宣誓供述書を作成する。逆に、不要なものは記載しない。当事務所では、定款、設立証明書、附属定款、議事録等、レター等の写しを資料として取得してから、宣誓供述書のドラフトを作成する。これをクライアントに渡して、「外国会社の本国の管轄官庁又は日本における領事その他権限のある官憲」の下で宣誓してもらう。日本における代表者自身が、在日外国領事館において宣誓供述することが一番便利であろう。なお、日本人的には、日本における代表者自身が、自己が日本における代表者であることを証明しているので、自己証明になって証明書足り得ないのではないかとの思いもある。宣誓供述書の真正は、神あるいは良心に誓うことによって担保されると理解している。(栗原義英)

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Comments

栗原先生
こんばんは。はじめまして。
ご高名はかねがね承っております。
私の拙いブログにコメントをありがとうございました。
恥ずかしくて穴があったら入りたい心境です。
中央研修等では山北先生の講義を拝聴させていただきました。
私は補助者経験が長かったので、早めの地元開業を目指しております。
横浜という土地柄もあり多くの外国人の方々がいらっしゃるので
何でも出来るように、渉外にもチャレンジしていきたいと思っております。
お許しいただけるのであれば、ご指導ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

私のブログの性格上、現時点では本名をお伝えしませんことを、平にお許し下さいませ。
それでは、失礼させていただきます。
ありがとうございました。

Posted by: sakanouenokuma | April 07, 2005 at 09:44 PM

 コメントをいただきまして、ありがとうございます。私は、昨年まで中央研修所の所員で新しい合格者の皆様の研修のお手伝いをしておりました。今年は、すれ違いですね。渉外事件は、文献・先例等が少なく自分で筋道を立てて問題を解決して行かなくてはならないことも多数有り、大変です。でも、エキサイティングなこともたくさんあります。昨日、アメリカの小さな町に住んでいる法定相続人の一人を相手方として申し立てていた遺産分割協議の審判事件の審判書がクライアントに届きました。これは、大変な事件でした。アメリカに法定相続人が9人もいて、彼等を探し出すことから始めました。一昨年の暮れに、遺産分割証明書と小切手をもって、彼等のサインを求めて、3都市を回ってきました。一番小さな町では、おそらく日本人は一人もいないということでした。大雪の中で、10人くらいしか乗れない飛行機に乗ったときは、とても心細かったです。結局、9人の中の一人がどうしもサインをしてくれなくて、審判を申し立てることになってしまいました。日本からアメリカへの送達には、2ヶ月もかかってしまい。1年がかりの審判事件となってしまいました。審判が出て、肩の荷が下りました。

Posted by: 栗原義英 | April 08, 2005 at 12:02 AM

栗原先生
こんばんは。
先生の記事を拝見しておりますと司法書士の概念が覆される思いがします。
本当にエキサイティングです。
ところで、先日、横浜でお花見をしたのですが同席していただいた横浜の「おお○し先生(女性)」に
栗原先生からコメントを頂いた旨をお話したところ、
研修所では、ご一緒していらしたということで、宜しくお伝えしておくように申しつかりました。
この場をおかりしてお伝えさせていただきます。おわかりになりますでしょうか?
私はいささか不安です。(笑)
それでは、失礼させていただきます。

Posted by: sakanouenokuma | April 13, 2005 at 10:33 PM

どなたかわかります。こちらこそよろしくお伝えください。

Posted by: 栗原義英 | April 13, 2005 at 11:07 PM

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