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April 20, 2005

在外外国人には労災年金担保貸付はできない?

 以前、イギリスに滞在中のアフリカのある国の方から、独立行政法人福祉医療機構の労災年金担保貸付の制度を利用して、融資を受けたいので事務手続きを代理してもらいたい旨の依頼があった。同氏は、過去に日本に滞在中にある工場に勤務している際に、機械で手のある部位を切断するという重大な事故に遭遇した。現在は、労災事故の認定を受けて、労災年金の給付を受けている。イギリスには、その怪我の治療のために滞在中だということだった。
 早速、独立行政法人福祉医療機構のホームページで基本的な情報を入手した後、同機構にコンタクトした。労災年金担保貸付とは、借り入れを希望する者の年金を受ける権利を担保にして、現在受けている年金額の1.5倍以内かつ最高250万円という範囲で貸付を受けるものである。返済は、給付を受ける年金をあてることになる。本件は、外国人であり、かつ、海外に在住という点が問題になりそうなので、その点を同機構に質問した。同様のケースが過去に1例あり、弁護士が、連帯保証人になることを条件に貸し付けたそうだ。若干のリスクヘッジのための条件を依頼人にのませて、私が連帯保証人になることにした。実際の貸付業務は、指定の受託金融機関が行うということなので、ある都市銀行に相談に行った。正直に言って、あまり熱心な対応をしてはもらえなかった。同制度は、法的には、受託金融機関との金銭消費貸借契約になり、その金融機関が与信を行うことになる。依頼人は、母国(アフリカ)に帰って、この貸付金で事業を起こしたいというが、与信を行う側としては、借主の住所がはっきりしていることは当然として、動向を把握できる状況であることが必要である。アフリカに居住する一個人に貸し付けることは、この点で困難があるということだ。私が連帯保証人になり、責任をもつと言ったが、無理だった。
 随分と粘って交渉したが、結局、貸付を受けることはできなかった。
 日本人が、外国に滞在している場合も同様だが、外国人は「外国人」であることを理由に「区別的」扱いをされることを極端に嫌う。その「区別的」扱いをすることに十分な合理的理由がなければFairではない。私が、外国人のクライアントと接する際に、最も注意していることの一つである。

 独立行政法人福祉医療機構 http://www.wam.go.jp/wam/gyoumu/nenkin/index.html

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