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March 13, 2006

外国法人の資格証明書

 今日は、朝から契約書とレポートの作成に明け暮れた。

 その中で、不動産の売買取引の買主が外国法人になりそうだ。最近は、外国法人が不動産取引の当事者になることが多く、いろいろな方から資格証明書として何を添付したらよいのか等の質問を受けることがある。

 外国法人が日本に外国会社の登記をしていれば、日本における代表者が外国会社を代表するので、日本の法務局から取得した全部事項証明書等が資格証明書になる。この場合は、簡単だ。

 外国法人が日本に外国会社の登記をしていない場合は、本国官憲の認証のある文書をもって資格証明書に代えることになる。ところが、日本の商業登記簿制度と類似の制度を有している国は、ほとんど無く、法務局のような役所から資格証明書足りうる証明書を発行してもらうことはできない。その場合は、本国の公証人のもとで宣誓供述書を作成することになる。宣誓供述書には、資格証明書足りうる内容を宣誓事項として盛り込む必要がある。サンプルは後記のとおりだ。サンプルの雛型ですんなりと済めばよい。しかし、実際には、いろいろな問題がある。たとえば、ある外国会社において署名権限を有している者が法人、たとえばAであることがある。宣誓供述するのはあくまでも自然人なので法人Aの代表者をたどることになる。

 その代表者が、当該外国会社とは、別の国に居住する場合、さらに面倒な問題が生じる。認証権限を有するのは、あくまでも当該外国会社の本国官憲である。その代表者が別の国に居住している場合、その居住国公証人が、当該外国会社のための認証しても日本の登記の添付書類にはならない。

 なお、別のケースだが、大使館は管轄があるので、たまたま外国法人の代表者が日本に滞在している場合に、在日大使館において、当該外国法人の資格証明書に代える宣誓供述書を作成しようとしても、大使館は受け付けない。当該外国会社が日本に支店を有するか、日本における代表者の定めがある場合でなければ、在日大使館の管轄外である。

 

 サンプル 日本語訳

 

(訳文)

宣誓供述書

私こと、生年月日を西暦19XX年XX月XX日とし、英国領ヴァージン諸島XXXXXXXXXXXに居住するAは、登録された本店を英国領ヴァージン諸島●●●●●に有する、英国領ヴァージン諸島国際業務会社法(法律第291号)に基づき適法に設立され、英国領ヴァージン諸島の法律の下で適法に存在するB・ホールディングズ・リミテッド(以下、「当会社」という。)のために、ここに以下の件が真正にして正確であることを宣誓のうえ供述する。

 

1.私は、当会社の取締役より本供述をなす権限を正式に付与されている。

2.当会社の本店および商号は次のとおりである。

 商号:               ・ホールディングズ・リミテッド

 本店:                           英国領ヴァージン諸島●●●●●

33.私こと、生年月日を西暦19XX年XX月XX日とし、英国領ヴァージン諸島XXXXXXXXに居住するAは、司法書士Cに対して交付する別紙委任状その他の関連書類に当会社のために署名する権限を当会社より付与されている。

44.上記事項に変更がない。

55.私は当会社により当会社を代理する正当な権限と資格を付与されている。

(署名)  A  

上記正訳しました。

司法書士 C

20■■年■■月■■、当職の面前で宣誓した。

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Comments

司法書士をしています。質問がございまして、書き込みさせて下さい。米国会社が子会社を設立する際、日本に既に支店の登記があれば、支店の登記簿と日本における代表者の印鑑証明書で、発起人としての存在証明書、発起人代表者の印鑑証明書とすることができますでしょうか?
偶然ブログを拝見しまして、突然の質問で恐縮ですが、宜しくお願い致します。

Posted by: 永岡 | March 16, 2006 at 05:38 AM

 結論的には、不可だと考えます。なぜなら、そもそも日本における代表者の権限は、「会社の営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為」(商法第479条第8項、第78条第1項)です。本国会社の意思決定に係る会社の組織法上の行為に関しては、当然には、日本における代表者の権限内にあるとはいえないからです。実際に、公証人も同様の考えであります。どうすればよいかといえば、本国の会社から日本における代表者に当該内国会社設立の発起人になる権限を特別に委任してもらい、そのことを本国公証人の認証を受けた宣誓供述書で証明することになります。プラス、日本における代表者の日本の法務局発行の資格証明書と印鑑証明書を添付すればよいと考えます。念のため、認証を受ける公証人に確認してください。

Posted by: 栗原 | March 16, 2006 at 11:11 AM

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