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April 16, 2006

会社法における擬似外国会社の通達による取扱いについて

 通達(「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱について」(法務省民商第782号民事局長通達))(以下、「本通達」という)の第6部において外国会社に関する取り扱いが述べられているが、そのほとんどは、擬似外国会社に関するものだ。

会社法第821条の規定が既存の外国会社及び外国会社を通じた今後の投資に悪影響を及ぼすのではないかとの外国会社関係者の不安があり、それを打ち消す参議院法務委員会の附帯決議があるにも関わらず依然として不安感は拭われていない。

本通達は、このような背景を踏まえて、外国会社関係者に配慮したためか、冗長ともいえる詳細なものである。会社法第821条は、外国会社を利用した日本の会社法制の脱法行為を禁止するという趣旨であるが、本通達の解説を読むとほとんど骨抜きになりかねない取り扱いに思える。

本当は、外国会社の関係者の多くは、正に日本の会社法制を回避するために外国会社を利用する目的を有していると思われる。本通達は、「本店」とは、営業の統括地として実際に定めている場所と解釈しているが、英米法において、設立準拠法以外の国に「本店」を置くことはごくありふれたことであり、日本国にもこれを認めてもらいたいというのが本音だと思う。たとえば、アメリカ合衆国内の会社の多くは、デラウエア州の会社法に準拠して設立され、「本店」をアメリカ国内の他の週に置くということはごく当たり前のことだ。デラウエア州法では、「本店」をアメリカ国外に置くことも許される。デラウエア州外の経営者が、自州の会社法ではなくデラウエア州法に準拠して会社を設立する目的は、従来から言われていることは、デラウエア州の会社法が経営者に有利にできているからである。アメリカの経営者が、よく分からない会社法に準拠して会社を設立することを回避したくなるのはなお更当然のことだ。なお、イギリスの会社法に準拠して設立された会社の「本店」をデラウエア州内に置くことも許される。

(注)「本店」を設立準拠法であるデラウエア州外に設置したとしても、登録事務所(Registered Office)及び登録代理人をデラウエア州内に置かなければならない。登録事務所は、訴状の送達場所あるいは課税の基準地等の法的基準の意義を有する。公への各種の届出は、この登録事務所でなされると思われる。ただ、それだけであり、営業の統括地としての機能を有していないことが多い。

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