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June 04, 2008

外国法人が100%出資の株式会社の設立

 発起人が100%を出資して株式会社を設立する場合は、発起設立の手続きによるのが普通だ。また、一般的には、会社法制定以前から募集設立はほとんどないと言われている。会社法制定の際には、募集設立を廃止しようとの議論がなされた。

 しかし、外資系企業の設立の場面では、外国法人が100%出資して株式会社を設立しようとする場合でも、あえて募集設立の手続きをとることの方がむしろ多い。これは、外国法人が発起人になると定款認証の手続きなどが煩雑になるので回避するために行われる。たとえば、定款認証の際に、日本法人が発起人の場合は、会社の全部事項証明書と代表者の印鑑証明書を添付すればよい。しかし、諸外国には、日本の商業登記制度ひいては、全部事項証明書に相当する制度が不十分なことが通常だ。したがって、外国法人の概要、代表者の代表権限等を証明するためには、必要な情報を聴取したうえで、宣誓供述書をドラフトして、これを本国において認証してもらう必要がある。これは、実に手間がかかる。急いで、株式会社を設立したい場合には、回避したくなる。

 そんなことも理由のひとつとなり、会社法においても、募集設立の手続が維持された。

 ところで、外国法人が100%出資して、発起人になる場合(発起設立の場合)、金銭の払込みがあったことを証する書面として、何を添付するかが問題となる。

 先例(平成18年3月31日民商782号通達)によれば、下記のものがこれに相当する。

                記

 ①払込取扱機関の作成した払込金受入証明書

 ②設立時代表取締役又は設立時代表執行役の作成に係る払込取扱機関に払い込まれた金額を証明する書面に、次の書面のいずれかを綴ったもの

 1)払込取扱機関における口座の預金通帳の写し(表紙と該当ページ)

 2)取引明細表その他の払込取扱機関が作成した書面

 前記②の場合、預金通帳の名義人は、原則として、発起人代表名義のものになる。「但し、日本国内に銀行口座を有しない外国会社が発起人として株式会社を設立する場合等の不便さに配慮して、設立時代表取締役又は設立時代表執行役を預金通帳の名義人とする場合であっても、登記実務上、設立の登記申請は受理されている。この場合には、発起人代表が口座名義人に対し払込金の受領に係る権限を授与する旨を委任した代理権限証書をも、添付する必要がある」(「商業登記ハンドブック」(松井信憲著)P.111)

 

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