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January 18, 2013

取締役会の書面決議

クライアントから質問をいただいた。

「業務執行取締役による三箇月に1回以上の取締役会に対する職務執行状況の報告(会社法第363条2項)についても書面決議の方法(法第370条)を利用できますか?」

まず、そもそも取締役会の書面決議とは何か?

取締役会は、現実の会議を開くことが原則だ。しかし、グローバル企業や外資系企業は、取締役が、海外に常駐していることが普通だ。一堂に会することが不可欠であるとすれば、迅速な経営上の意思決定を害する。そこで、会社法制定時に、書面決議の制度が認められた。書面決議の制度を利用するためには、次の要件を満たす必要がある。

①定款において、取締役会の書面決議ができる旨を定めること、②取締役の提案に対して、取締役全員が書面により同意すること、③監査役設置会社の場合は、監査役が議案に対して異議を述べないこと。

さて、上記クライアントだが、外国の会社の100%子会社であり、事実上、経営上の意思決定のほとんんどは、親会社で行われており、日本の取締役会は形骸化している。設立の際に、この取締役会の書面決議に関する定めを入れることをアドバイスした。取締役は、1名以外はすべて外国在住であり、書面決議を利用する利便性は高い。

しかし、業務執行取締役による三箇月に1回以上の取締役会に対する職務執行状況の報告については、各取締役への通知による報告の省略の制度(法372条1項)と書面決議を併用して、全く会議を開催しないで済ますことはできない(同2項)。

結論として、業務執行取締役による三箇月に1回以上の取締役会に対する職務執行状況の報告については、書面決議の方法を利用することはできず、実際に、取締役会を開催する必要がある。もっとも、この場合でも、電話会議の方法は認められている。

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